DEVICE株式会社

ソリューション事例

テーマ

『建物本体に”四季を通じて快適な室内空間を獲得できる基本性能”と“自然エネルギーを活かす機能”を備えることで大幅な省エネ化を実現し、また未来においても陳腐化しないシンプルな意匠を持たせることにより、省エネルギー社会に貢献できる建築を目指す』を設計コンセプトとした「ネガワット建築システム」をご提案しました。

ソリューション

この建物は、南・北面がほぼ全面開口部で構成されているため、現在の省エネ基準(H25年基準)を満たすだけでは、設計コンセプトを実現することは不可能でした。事務室における開口率は、床面積に対して63%、壁面積に対して42%と非常に高く、そのため、室内空間が受ける日射や外気温の変化等の影響をいかに小さくできるかが課題でした。

各部屋の開口率(壁面積比)

この課題を解決するため、南側の開口部は、アウターガラス(一部にルーバーサッシュ)、手動操作ブラインド、インナーガラス「トロポス」から成るダブルスキンシステムを構築しました。このダブルスキンシステムの特長は、アウターとインナーガラス間の空気層(キャビティ)に貯まった熱をコントロールすることで、季節や外部環境の変化に対応することを可能としているところにあります。その運用例を下図に示します。(弊社では、このような機能を持つ開口部を「可変型ダブルスキン」と呼称しています。)

運用例:夏季
運用例:冬季

北側開口部については、日射の影響が少ないことからシングルスキン構成とし、またガラスファサードとしての意匠性も考慮して、光の拡散機能と高断熱性能を持つミレニアムグラスを使用しました。

建物における熱の流入出が最も多い開口部を可変型ダブルスキンおよびミレニアムグラスにして高断熱・遮熱化を図り、居室者がそれらを任意でコントロールすることによって、年間を通して快適な室内空間を実現することができました。また、各室内において改正省エネルギー基準値(H25年基準)を検討したところ、それらを大幅に上回る結果を得ています。

省エネ基準による計算

外皮平均熱貫流率 (W/m2・K)

開口部構成 事務室 打合せ室 応接室
可変型ダブルスキン ミレニアムグラス 0.43(○) 0.35(○) 0.30(○)
アウターのみ 1.34(×) 0.89(×) 0.88(×)

()は、省エネ基準との判定結果を示す。地域区分5の基準合格条件 : UA<0.87

冷房期の平均日射熱取得率

開口部構成 事務室 打ち合わせ室 応接室
可変型ダブルスキン ミレニアムグラス 1.88(○) 0.56(○) 0.68(○)
アウターのみ 5.26(○) 2.66(○) 2.88(○)

()は、省エネ基準との判定結果を示す。地域区分5の基準合格条件 : ηA<3.00